2014年度日本フンボルト協会、ドイツ研究留学説明会が
6月14日(土)に開催されました。
日本フンボルト協会2014年度年次総会の報告
2014年6月14日に日本フンボルト協会2014年度年次総会がドイツ文化会館ホール(港区赤坂)にて開催されました。会員総会の後のプログラムは、DAAD友の会、日本ケルン・アルムニ・クラブおよび日本フライブルク・アルムニ会との共催で進められました。そのなかで、若手研究者のためのドイツ研究留学説明会は日本フンボルト協会年次総会の際に行われる恒例事業であり、また最後の懇親会は説明会に 参加した若手研究者を招待し、ドイツ留学の先輩である会員と交流を図る機会として、ともに盛況のうちに終わりました。
会員総会は、櫻田嘉章協会副理事長の司会の下、広渡清吾理事長の挨拶ではじまり、理事会より提出された2013年度の活動報告および 決算案を承認し、また、2014年度の活動方針案および予算案を審議し、それぞれ案の通りに決定しました。会員総会の出席者は50名でした。
「講演会・コンサート」プログラムは伊藤 眞協会常務理事(筑波大学教授)の司会で進められました。冒頭、3月に赴任されたばかりのドイツ大使Dr. Hans Carl von Werthern氏が、ご挨拶をされました。ドイツ大使の来訪は、これまでにないことであり、ご挨拶のなかでも大使が日独の学術交流に寄せる大きな期待が表明されました。ヴェルテルン大使は、あいさつの後、別室(DAAD東京事務所内)で、日本フンボルト協会理事長・副理事長、DAAD友の会会長、およびケルンとフライブルクのアルムニ会会長と懇談し、日本におけるドイツの アルムニ組織の活動について、ドイツ大使館の文化活動について、活発な意見交換が行われました。引き続き、 会場では、田中辰明氏(DAAD友の会会員、お茶の水女子大学名誉教授)による「ブルーノ・タウトの人生と 作品」というテーマの講演が行われました。ブルーノ・タウトはドイツの世界的建築家であり、日本の美を再発見し世界に紹介した人として知られています。彼の活動と作品が豊富に紹介され、興味深い講演となりました。 講演の後は、山口裕子氏(東京藝術大学大学院音楽科)によるベートーヴェン:ピアノソナタ第18番変ホ長調作品31-3の演奏が披露されました。山口氏は、DAAD奨学金でDüsseldorfに2011年から2013年に留学した経験があります。素晴らしいピアノ演奏は、会場を魅了しました。
ドイツ留学説明会は、梶 英輔協会常務理事(北里大学副学長)の司会で行われ、110名の若手研究者が参加し(事前申し込み80名、当日参加30名)。また、多くのOBも出席しました。留学説明会の次第は、以下の通りでした。
①鍔田武志氏(日本フンボルト協会常務理事、東京医科歯科大学教授)が日本フンボルト協会について概説した後、2013年度に立ち上げた協会のホームページについて、特に留学のための 検索サイトについて説明しました。
②西原博史氏(日本フンボルト協会理事、早稲田大学教授)が、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団の歴史とフンボルト奨学金制度について説明しました。
③Dr. Holger Finken氏(ドイツ学術交流会東京事務所所長)がドイツ学術交流会(DAAD)とDAAD奨学金制度について説明しました。
④最後に阪口基己氏(日本フンボルト協会会員、東京工業大学准教授)がフンボルト奨学生としてドイツに研究滞在した際の体験談を披露しました。
説明の後、いくつかの質疑応答が行われました。
懇親会ではドイツビールやドイツ料理が打ち解けた雰囲気を演出し、若手研究者が先輩である フンボルト元奨学生やDAAD元奨学生との交流の中で、ドイツ留学に関する質問を盛んにしていました。当日配布された参加者リストを見ながら、話したい相手を探している若手研究者の姿も見受けられました。
年次総会開催後に行ったアンケートでは、留学説明会に参加して、「留学への意識が高まった」「フンボルト奨学金に応募してみたい」「留学した先輩方と直接お話しできたことがよかった」など積極的なご意見をいただきました。毎年、日本フンボルト協会の総会の際に、留学説明会を開催していく予定です。また、協会ホームページは、ドイツ留学を身近に感じる先輩の体験談や、応募のために役に立つ情報を発信していくことを目指しています。
ドイツ大使 Dr. Hans Carl von Werthern氏よりご挨拶