2月, 2023年

追悼文

2023-02-27

石井紫郎先生ご逝去

東京大学名誉教授の石井紫郎先生が2023年1月17日(享年87歳)に逝去されました。
石井先生は、日本フンボルト協会の前身のひとつである東日本フンボルト協会理事長として、国際的学術交流の促進に大きな貢献をなさいました。中でも石井先生の卓越したリーダーシップにより2000年から10年間実施されました「日本研究奨学金」事業は、日独学術交流における数多いご功績の中でも特筆すべきプロジェクトであります。この事業は、日本のHumboldtianer*innenが、かつてドイツ・フンボルト財団から受けた支援に対する恩返しとして、日本Humboldtianer*innenや各界からのご篤志を基金として立ち上げた奨学金事業で、ドイツ・フンボルト財団本部と連携し、10年間で合計24名の若手ドイツ人研究者に奨学金を給付することができました。さらに支援を受けた若手ドイツ人研究者の中には、現在、日本研究分野の第一線で活躍している研究者もおり、ドイツ側からも極めて高い評価を受けています。
石井先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

西原春夫先生ご逝去

早稲田大学名誉教授、早稲田大学元総長の西原春夫先生が、2023年1月26日(享年94歳)に逝去されました。西原先生は、日本フンボルト協会の前身のひとつである東日本フンボルト協会(1989年設立)の初代理事長として、長年にわたり日独学術交流発展の礎を築かれ、その基礎のもとに今日の日本フンボルト協会が存在しているといえます。また、「日本研究奨学金」事業についても多大なるご支援をいただきました。最近では、日本フンボルト協会顧問として、様々なかたちで本協会に対するご助言をいただいておりましただけに、西原先生の突然のご逝去が悔やまれてなりません。
西原先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

これまで本協会を見守り、大所高所からご助言をいただいてまいりました石井先生と西原先生が、旅立たれた
ことは、本協会にとって大きな存在をたて続けに失うこととなり、誠に残念でなりません。日本フンボルト協会は、両先生のご尽力による「日本研究奨学金」事業の後継として、2019年に「日独共同研究奨学金」事業を
立ち上げました。今後は、両先生のご遺志を継いで、日独のみならず国際的学術交流の一層の促進、学術情報の発信に、今まで以上に尽力してまいります。
改めて、石井紫郎先生、西原春夫先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

日本フンボルト協会理事長
伊藤 眞

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